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堀越勸玄の長台詞に感涙!七月大歌舞伎は一幕見席でも絶対に観るべき

銀座・歌舞伎座で上演中の七月大歌舞伎。市川海老蔵が座頭を務め、その長男・堀越勸玄くんが見事な芝居を披露していることでも話題になっています。さっそく管理人hodakaも観に行きましたが……これは少しでも多くの人に生で観てほしい!というわけで、七月大歌舞伎を楽しむために知っておきたいポイントと、今からでも間に合うチケット入手方法をできる限り分りやすく解説していきます。

異例の若さで歌舞伎座の座頭となった、市川海老蔵

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▲東銀座駅直結の場所に立つ歌舞伎座

歌舞伎の殿堂と称される歌舞伎座。100年以上の歴史を誇り、「歌舞伎座で演じた役でなければ、本当に演じたとは言えない」といわれるほど格式高い劇場です。年間を通して歌舞伎のみを上演しており、興行は1カ月ごとの入れ替わり制。ここで2017年から毎年7月に座頭を務めているのが、市川海老蔵(41歳)です。

そもそも、海老蔵がここで座頭を務めていること自体、異例であることをご存じですか? 歌舞伎座の座頭を務められるのは、家柄の良さはもちろん人気と実力を兼ね備えた一部の役者のみ。現在は尾上菊五郎松本白鸚中村吉右衛門片岡仁左衛門という4人が持ち回りで座頭を務める体制が基本となっています。ちなみに4人とも70歳を超える大ベテラン。その事実からも、海老蔵がいかに若くして彼らと同じ立場を任されているかが、お分かりいただけることでしょう。

もちろん、この異例の待遇には理由があります。まずひとつに、海老蔵が歌舞伎界の最高位といわれる大名跡市川團十郎の後継者だから。もうひとつに、海老蔵の父である十二代市川團十郎が2013年にこの世を去ったことにより、海老蔵が市川家(成田屋)の当主になったから。 

市川團十郎名跡の復活は、成田屋だけでなく歌舞伎界全体の悲願でもあります。また、高齢化が進む歌舞伎界において、世代交代を推進する若きリーダーが求められているという背景もあります。そんな期待に応えるべく、若くして歌舞伎の座頭を任されることになったのが、海老蔵なのです。

歌舞伎の慣例を打ち破る、市川海老蔵の取り組み

歌舞伎座で座頭を務めるようになってからの海老蔵の活躍には、目を見張るものがあります。

初めて歌舞伎界で座頭を務めた2017年7月には、『矢の根』『連獅子』など定番の古典を披露する一方で、成田屋に古くから伝わる『駄右衛門花御所異聞』を約170年ぶりに復活上演。主要3役を演じ分け、当時4歳の勸玄くんとの宙乗りも披露するなど会場を大いに沸かせました(麻央夫人が亡くなった直後の興行だった為、ニュースなどでその様子を目にした人も多いはず)。

また、海老蔵働き方改革にも着手。それまで歌舞伎座の興行は、25日間休みなく昼夜公演を行うのが慣例でしたが、この2017年7月興行において初めて半日休演を導入しました。今まで当たり前、というか聖域のように守られてきた歌舞伎界の慣習に一石を投じたのです。

こうした意欲的な取り組みが評価され(?)、2020年5月に市川團十郎名跡を襲名することが決定。つまり現在上演中の七月大歌舞伎は、海老蔵の名で歌舞伎座の座頭を務める最後の機会とも言えるのかもしれません。

勸玄くんによる長台詞で魅せる『外郎売

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七月大歌舞伎で上演されている演目は、以下。

【昼の部】高時、西郷と豚姫、素襖落、外郎売

【夜の部】通し狂言 星合世十三團

なかでも注目は、昼の部の『外郎売』。成田屋お家芸として選定された「歌舞伎十八番」の内のひとつで、十二代市川團十郎が得意としていた演目であることでも知られています。

外郎という薬を売り歩く商人(実は曽我五郎という武士)を主人公にした狂言で、ポイントは主人公による長台詞。中国から伝来した妙薬の由来や効能について、約4分間にわたってすらすらと述べ立てる演技が見せどころとなっています。

今回は、この長台詞を勸玄くんが担当することに。わずか6歳の彼が雄弁な語りを披露するとあって、チケットは即日完売となりました。

実際に観に行ってみると、勸玄くんの見事な芝居にビックリ。会場全体が固唾を飲んで見守る中、「あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを…」「武具馬具 武具馬具 三武具馬具…」という早口言葉をよどみなくしゃべり切り、満場の拍手喝采をさらっていました。

個人的に印象的だったのは、長台詞を述べる勸玄くんの様子を、隣にいる海老蔵がじっと見つめていたこと。不安と誇らしさが同居するような眼差しを向けながら、勸玄くんを優しく見守る彼の姿に、思わず涙した人も多いのではないでしょうか。

前売り券を持ってなくても観劇できる!幕見席の魅力とシステム

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▲7月7日(日)10時半過ぎ時点の幕見席の空席状況

ところで、歌舞伎座には事前にチケットを購入してなくても鑑賞できるシステムがあることをご存知ですか?それが一幕見席。劇場の最上階に設けられた自由席のことで、指定席が満席の場合でも必ず開放される当日券です。

複数の演目を通しで見る指定席と違って、演目単位でチケットを購入できるのも嬉しいポイント。例えば今回であれば、『外郎売』のみ一幕見席で観ることも可能です。

料金は、上演時間によって500円〜2,000円と良心的。ただし定員は椅子席90、立ち見60に限られており(演出の都合によってさらに減ることも)、人気の演目は早い時間帯に売り切れるので注意してくださいね。

ご参考までに、上写真が今月7日(日)の一幕見席の売れ行き状況。15時前に開演する『外郎売』は、11時前の時点で椅子席が完売していました…。

ちなみに「14:54」という数字の上に、「13:55」と赤字で書かれているのが見えると思います。これは『外郎売』の単独チケットの販売開始時刻ですが、この時刻はあまり当てにしない方が良いです。何故なら複数の演目を幕見したい場合、最初に観る演目の販売開始時刻にすべてのチケットを購入することができるから。つまり『高時』から『外郎売』までを通しで幕見したい場合、『高時』の販売開始時刻である10時半から昼の部すべてのチケットを購入することが可能になるというわけなんです。

今月の『外郎売』は特に人気が高いので、どうしても椅子席に座ってゆっくりと鑑賞したい方は、週末ならば遅くとも10時前後に一幕見席の列に並んで、最初の『高時』から通しでチケットを購入した方が良いでしょう。

今まで知らなかった演目との出合いも、歌舞伎鑑賞の醍醐味のひとつ。お目当ての演目以外から、予想だにしなかった発見や感動を得られることもあるかもしれませんよ。

2020年に同時襲名を控えた成田屋を観るなら、今がおすすめ!

歌舞伎座で絶賛上演中の七月歌舞伎。『外郎売』が大きな注目を集めていますが、夜の部の『星合世十三團』もおすすめです。歌舞伎三大名作のひとつである『義経千本桜』をもとに、エンタテインメントな演出や趣向、宙乗りや大立ち廻りを取り入れた本作で、なんと海老蔵は主要13役を早替わりで担当しています。

先述した通り、2020年5月に市川團十郎を襲名する市川海老蔵。同時に、勸玄くんも市川新之助を襲名することが発表されています。2020年5~7月には歌舞伎座にて襲名披露公演が催されますが、その序章ともいえる成田屋の今を目撃するなら今がおすすめ。すでに前売り券を持っている方はもちろん、それ以外の方でも一幕見席を利用して気軽に観劇を楽しんでみてください。

七月大歌舞伎(2019年)

会場:歌舞伎座(東京都中央区銀座4-12-15)

会期:2019年7月4日(木)~7月28日(日)

時間:昼の部11:00~15:30頃、夜の部16:30~21:43頃

休演:11日(木)昼の部/10日(水)・17日(水)・24日(水)夜の部