ファッションブランドLOEWE(ロエベ)主催による「LOEWE FOUNDATION CRAFT PRIZE 2019(ロエベ ファンデーション クラフト プライズ 2019)」のエキシビションが、東京・赤坂で開催中(6月26日〜7月22日)。かねてからロエベ好きの管理人hodakaとしては見逃せない!ということで、さっそく足を運んできました。
LOEWE(ロエベ)って?
本題に入る前に、まずはロエベについてご紹介しましょう。
ロエベは、1846年にスペイン・マドリードで誕生したレザー製品ブランド。その品質の高さが評価され、1905年にはスペイン王室御用達の称号を受けました。
1996年にはルイ・ヴィトンなどの世界的ブランドを多数抱えるLVMHグループの傘下に入り、プレタポルテ事業も展開するように。
そして2014年、クリエイティブ・ディレクターにイギリス人デザイナーのジョナサン・アンダーソンを迎えると、「パズル」「ハンモック」などのアイコンバッグを次々と発表し、世界で最も熱い注目を集めるラグジュアリーブランドのひとつとなりました。
今年で3年目を迎える「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」
そんなロエベおよびロエベ財団が主催するプライズが、今回紹介する「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」。無類のクラフト好きとして知られるジョナサン・アンダーソンの発案のもと、現代のクラフトマンシップにおける卓越性、芸術的価値、そして新しさを称えることを目的に、2016年より開催されています。
3回目となる今年は、100カ国・2,500を超える応募作品の中から29のファイナリストを選出。その29作品のお披露目の場として、今回のエキシビションが開催されているのです。
新旧アーティストの作品と、壁一面に広がる緑が見事に調和
というわけで、いよいよ鑑賞レポートを。
会場は、青山通り沿いに建つ「草月会館」内1・2階にある吹き抜けのプラザ「天国」。実はここ、国際的彫刻家であるイサム・ノグチが手がけた石の広場で、それ自体が現代アートの傑作として世界的に評価されているんです。
回遊式庭園に着想を得た作品で、歩いて回れる石段や、水の流れる水路があちこちに。外からは自然光が降り注ぎ、石だけで構成されているとは思えないほど温かみのある空間になっています。
そんな場所に、今回は布、漆、ガラス、木材、金属など素材の異なる大小29の作品が出現。水路沿いに置かれたゴールドの器、プラザ中央に立つ漆のオブジェなど、その生き生きとした佇まいといったら!一面のガラス越しに見える赤坂御所の緑と相まって、まるで庭に生えた草花のような瑞々しい美しさを湛えていました。
日本人アーティストが大躍進!ロエベが見据えるクラフトの未来とは?
今年はファイナリストに日本人作家が10人も選出。これは国別最多であり、エキシビション会期前日に発表された大賞にも、日本人である石塚源太の作品が選出されました。
この石塚の作品について、ジョナサン・アンダーソンは「クラフトがオープンであり自由であることを証明しました」と評しています。その言葉は、現在のロエベを貫く精神そのもの。高度な技巧をベースにしながらも、より自由でエフォートレスなモードを発信し続けるロエべの今が、このエキシビションに表れていたような気がしました。
本エキシビションは7月22日(月)まで開催中。ロエベ&クラフト好きはもちろん、上質で優雅な時間を過ごしたい方にもおすすめです。美しい現代アートと豊かな緑に癒されたい人は、ぜひ足を運んでみて。
会期:2019年6月26日(水)~7月22日(月)
時間:10:00~19:00(金曜のみ~20:00)
会場:草月会館 1階草月プラザ(東京都港区赤坂7-2-21)
料金:無料
※記事中の画像は取材先の許諾を得た上で掲載しています。